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白内障手術の流れ

診断・術前検査・手術説明

白内障手術では手術前に詳細な検査を行います。眼内レンズの種類や度数を決めるために必要なデータを取得して、白内障以外の異常がないかなどを調べます。

近年、検査方法が進歩したことにより、手術後の見え方の質をより良くしたり、合併症の発生率を低下させたりすることが可能になりました。

事前に患者様の生活形態や趣味、仕事等の情報をよく聞き目の状態を精密に計測して患者様のライフスタイルに合わせて眼内レンズの種類や度数を決定していきます。

主な白内障手術前の検査内容
問診 患者様の実際の見え方
屈折検査 現在の視力測定
眼圧測定 白内障以外の病気はないか
細隙灯顕微鏡検査 白内障の進行度合い
眼底検査 白内障以外の病気はないか
角膜内皮細胞検査 角膜の手術耐久性と手術後の視力への影響
眼軸長測定
角膜曲率半径
前房深度
使用するレンズの度数決定
採血 全身状態のチェック、感染症の有無

手術当日

ご来院

予定の時間に来院をお願いします。予定の時間に来院をお願いします。手術当日に発熱など体調不良の方は無理せずお申し出下さい。

手術前の検査、点眼

血圧測定、眼圧測定などの検査をおこない当日の体調を確認します。その後目薬を点眼し瞳孔を開きます。着替えを済ませていただき手術室へ入室となります。

手術開始

通常の手術は目のみの局所麻酔で行います。手術自体は約10分程度で終了いたします。(個人差はあります。)

白内障手術

  • ①角膜の部分を小さく切開(2.4mm)します。
  • ②超音波を使って水晶体の中身(核)を砕いて吸引し、周りの袋(嚢(のう) )だけを残します。
  • ③残した嚢の中に眼内レンズを折りたたんで挿入します。レンズは嚢の中でしっかりと固定されます。抗菌の点眼をして終了です。
  • ④リカバリールームでスタッフが患者様の状態を確認し、ご帰宅となります。
帰宅

手術当日は目の中に軟膏を入れているので見えづらいです。お気をつけて生活して下さい。少しお休みしてから会計をして頂き終了となります。

手術後検診

手術をした後は、目の状態が安定するまでの約1~3ヶ月間の点眼継続と定期検査が重要です。
通常は手術翌日、翌々日、1週間後、2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後〜といった期間で検査を受けていただきます。術後の状態により、お薬の内容が変わっていきます。
決して自己判断はせず、医師の指示に従って検査・通院をしてください。

異常を感じたらすぐに眼科へ

白内障手術後には、比較的起こりやすい術後症状や、稀ではありますが合併症があります。「合併症」と聞くと、急に怖くなってしまうかもしれません。しかし、白内障手術では特に危険度の高くない、比較的起こりやすい合併症もあります。

これらは、手術前に正しく理解をしておくことで、手術と手術後を安心して過ごすことができるでしょう。合併症に対する知識も大事ですが、自覚症状や病気の判断は、ご自身でなさらず、眼科で検査を受けるようにしましょう。その上で、わからないことや不安なことは何度でも眼科医、そしてスタッフに質問をし、理解・納得をすることが大事です。

手術後の合併症

視界が眩しく感じる 青白く見える

加齢変化で濁った水晶体は黄白色に変色していることが多いため、濁った水晶体が透明な眼内レンズになることで手術直後は明るく、まぶしく感じる方がほとんどです。手術前と比較して色が鮮明に見える分、少し青白く色味が変わったように感じる方も少なくありません。眩しさや色味は時間経過で慣れてきますが、気になる場合は医師に相談してください。

一過性眼圧上昇

手術直後に一過性に眼圧があがる方があります。術後検診で状態をチェックして追加投薬をさせていただく場合があります。白内障が高度に進行していた方、もともと緑内障やぶどう膜炎などの既往のある方は特に注意が必要です。

飛蚊症(硝子体混濁)

目の前に黒っぽい小さなもの(浮遊物)が飛ぶように感じる症状を飛蚊症といいます。 白内障手術後によく見えるようになったことで、かえって一時的に飛蚊症の自覚症状が強くなることがあります。ただし、なんらかの異常が原因で飛蚊症が増えることもあるので、医師の診察を受けるようにしてください。

飛蚊症(硝子体混濁)

後発白内障

白内障手術を受けてしばらくたつと、元々水晶体が入っていた袋(水晶体嚢)が濁り、再び視力低下することがあります。数ヶ月から数年以降に発症することが多く、比較的よくみられる症状で、レーザー照射によりすぐに視力の回復ができます。

後発白内障

まれに起こる合併症

眼内レンズの偏位・脱臼

白内障手術後に、経年変化やなんらかの原因で眼内レンズの位置が動いてしまう場合があります。また、様々な理由で水晶体嚢内に眼内レンズを固定できない場合もあり、眼内レンズを眼の中に縫いつける必要があります。これには、再度手術が必要になります。眼内レンズの脱臼が起こると、処置をするまでは視力が落ちる場合があります。白内障手術後に突然視力が悪化した場合等は、すぐに眼科を受診してください。

眼内レンズの偏位・脱臼

嚢胞様黄斑浮腫

白内障手術の術後早期に起こる網膜のむくみ(腫れ)です。 手術後の医師の指示による点眼や注意行為(飲酒等)を守らない場合や、糖尿病網膜症を有する場合に多いので、手術後安定するまでの間は決められた点眼を守り、注意事項を遵守し、検診も指示どおり受けるようにしましょう。

嚢胞様黄斑浮腫

術後眼内炎(感染症)

創口から細菌感染を起こした場合に発症します。 現在の手術方法では創口も小さく、決められた注意事項を遵守して、きっちり手術後の点眼治療をおこなえば、この合併症を起こすことはまずありませんが、万が一こじらせた場合は、重篤な後遺症を残すことがあり、要注意です。手術後安定するまでの間は決められた点眼を守り、注意事項を遵守し、検診も指示どおり受けるようにしてください。