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多焦点眼内レンズの種類と特徴

レンズの種類により、光学的な特性の違いで見え方の質に特徴があります。

Clareon PanOptix(クラレオン パンオプティクス)

選定療養対応

全世界で200万枚以上のインプラント実績
現在、日本を含め、世界で最も選択されている多焦点眼内レンズです。

テクニスシンフォニー TECNIS symfony

従来からある国内初の承認を受けた3焦点眼内レンズで眼科医の声をもとに開発された素材「Clareon®」によって長期間に渡り高い透明性を実現、独自のエッジデザインでより快適な見え方を追求する多焦点レンズに生まれ変わり登場しました。現在世界で最も普及している3焦点眼内レンズで、より自然に順応するように設計されています。

特徴

老視と乱視を同時に矯正できる白内障治療向け3重焦点眼内レンズ「AcrySof® IQ PanOptix® Trifocal トーリック」も選択可能です。

「手元」40cmと「中間距離」60cmと「遠く」の3焦点にピントが合うように設計されているメガネがほぼ不要の多焦点眼内レンズです。角膜乱視は約2.5Dまで矯正可能です。

構造 3焦点回折型
ピント 3焦点 遠・中・近(1m~∞・60cm・40cm)
ハロー・グレア 軽度~中等度(やや少ない)
乱視矯正 対応レンズ有
動画で見るPanOptix®

TECNIS Odyssey(テクニス オデッセイ)

選定療養対応

TECNIS Odyssey(テクニス オデッセイ)

Johnson&Johnson(国内取扱いエーエムオージャパン社)の眼内レンズです。

2021年に同社より発売開始となったTECNIS Synergyに比べレンズの構造に修正を加えたことによりスターバーストやハロー・グレアなどの異常光視症をより抑えた焦点深度拡張型(EDOF)の多焦点眼内レンズになります。

特徴
構造 回折型+連続焦点
ピント ∞〜40cm
ハロー・グレア 軽度~中等度(やや少ない)
乱視矯正 対応レンズ有

Clareon Vivity(クラレオン ヴィヴィティ)

選定療養対応

Clareon Vivity(クラレオン ヴィヴィティ)

Alcon社最新型の眼内レンズです。
レンズの表面構造の変化を最小限に抑えることによりハローグレア等を単焦点レンズと同程度まで軽減できるよう作られた独自の波面制御型眼内レンズです。また、焦点深度拡張型レンズのため優れた遠方視と中間視および実用的近方視を提供します。

また、2025年5月より乱視用レンズも登場しました。
乱視用レンズも従来から変わらず遠くから中間にかけて連続的に広くピントが合うのとコントラスト低下も最小限ですのでよりクリアな見え方が期待できるレンズです。

特徴
構造 波面制御型+焦点深度拡張型
ピント 60〜40cm
ハロー・グレア 軽度
乱視矯正

Vivinex Gemetric
Vivinex Gemetric plus
(ヴィヴィネックス ジェメトリック)
(ヴィヴィネックス ジェメトリックプラス)

選定療養対応
Vivinex Gemetric(ヴィヴィネックス ジェメトリック)

Vivinex Gemetric(ヴィヴィネックス ジェメトリック)

眼鏡のレンズでも有名なHOYAから出た日本製の多焦点眼内レンズです。
今まで多焦点眼内レンズは海外製のものしかありませんでしたが、2024年初めて日本製のレンズが発売されました。大きく分けて5種類の乱視用レンズがあり、軽度の乱視がある方でも矯正可能となっています。加入度数は中間距離+1.75D(約80cm)近方距離+3.50D(約40cm)です。

光学部の中心3.2 mm径内に回折ゾーンを持ち、不快光視現象の低減を期待するデザインになっています。

Vivinex Gemetric(ヴィヴィネックス ジェメトリック)

Vivinex Gemetric Plus (ヴィヴィネックス ジェメトリックプラス)

Vivinex Gemetric plusは2025年4月にHOYA社から日本で発売が開始された3焦点眼内レンズです。従来から発売されているGemetricと同じ光学設計ですが、遠方のエネルギー配分を弱くすることによって、近方の見え方をより強化した眼内レンズです。
遠方の見え方を重視したGemetricと今回新しく登場したGemetric plus、左右異なるレンズを入れる方法(=ペアリングPairring)を用いることにより、より広範囲な距離の見え方をカバーしています。Gemetric同様、plusでも乱視用レンズは5種類あるので乱視のある患者様でも対応可能となっています。患者様と術後の見え方を相談したうえで、両目とも従来からあるGemetricを使用することもあります。

特徴
構造 3焦点回折型
ピント 3焦点 遠・中・近(∞〜・80cm・40cm)
ハロー・グレア 軽度~中等度(やや少ない)
乱視矯正 対応レンズ有

TECNIS Pure See(テクニス ピュアシー)

選定療養対応

TECNIS Pure See(テクニス ピュアシー)

Johnson&Johnson(国内取扱いエーエムオージャパン社)の眼内レンズです。

遠く〜中間距離にある程度ピントの合うレンズで回折型のレンズではなく、屈折型のレンズなのでより単焦点レンズに近い自然な見え方で、ハロー・グレアを最小限に抑え、夜間の運転にも比較的向いていると言われています。

特徴
構造 屈折型+連続焦点
ピント ∞〜50・60cm
ハロー・グレア 軽度
乱視矯正

INTENCITY(インテンシティ)

自由診療

インテンシティー(Intensity Lens)はHanita Lenses社から2020年7月年に発売され、日本でも9月より取扱いが始まったレンズです。このレンズは5つの距離に焦点を合わすことができる5焦点眼内レンズであり、日常のあらゆる活動をカバーできるようになりました。

このレンズの一番の特徴は遠方、遠中、中間、中近、近方の5つの距離に焦点を合わすことができる5焦点眼内レンズであるということです。それにより従来の回析型2焦点や3焦点眼内レンズでは苦手としていた遠方~中間、中間~近方の距離にも焦点を合わすことができるようになりました。

そして、最適化された光エネルギー配分により光エネルギーのロスが6.5%と他レンズに比べ少なく、効率よく眼内に光を取り入れることが可能となります。さらに瞳孔径に応じて最適な配分になるように作られています。また、レンズ構造上グレア・ハローの影響も少ないことも大きな特徴の1つと言えます。

5つのメリットがあります。

  • ①光効率の最大化による新世代多焦点眼内レンズ
  • ②遠方、遠中中間、近中、近方の計5焦点にピントが合う
  • ③全距離(遠方から40cm)において視力の落ち込みが少ない
  • ④ハロー・グレアが少ない
  • ⑤5焦点により患者様の日常のあらゆる活動をカバーできる

レンズの構造と特徴

バランスのいい光学設計

回折構造は、なめらかなエッジ形状の12本のステップからなり、ステップの幅や高さは中心から周辺に向かって変化し、瞳孔径に応じて最適な配分になるように作られています。中心から直径2.5mmまでをZone 1、2.5~4.0mmまでをZone 2、4.0~5.2mmをZone 3で、明所視はZone 1とZone 2を使用し、薄明視・暗所視にはZone 1からZone 3を使用します。

レンズの構造と特徴

レンズの構造と特徴

レンズの構造と特徴

光学ロスが極めて少ない

焦点距離80cmの0次光と2か所のインテンシファイアによって、5焦点での幅広い焦点域を実現しました。従来の回折型2焦点や3焦点レンズでは10%~20%の光学ロスがありましたが、6.5%と光学ロスが極めて少ない設計となっています。

レンズの構造と特徴

幅広い明視域を実現

5焦点化により、従来の3焦点レンズに比べても全距離(∞~40cm)で良好な見え方を実現しています。

レンズの構造と特徴

ハロー・グレアが少ない

従来の3焦点レンズに比べてハローグレアが抑えられています。

レンズの構造と特徴

レンティス Mplus

自由診療
  • レンティス(Mplus)
  • レンティス(Mplus)

LENTIS(多焦点眼内レンズ)は、ドイツOculentis社が製造している多焦点眼内レンズです。白内障手術後、眼鏡をかける必要性を最大限排した多焦点眼内レンズの中でも、強い近視や強い乱視にも対応可能なのが、「レンティス・エムプラス」です。分節型多焦点眼内レンズで、遠方と手元の2箇所にピントが合います。
光量のロスが5%と少なく、光量配分は遠方が55%で近方が40%になっています。

回折型に比べて暗所でのコントラスト感度が高く、見え方の質が良いのが特徴ですが、手元の見え方はやや弱いです。「レンティス・エムプラス」は、完全オーダーメイドの多焦点眼内レンズとなっており、他の眼内レンズの50倍の精度でレンズを1枚ずつオーダーメイドで作るため矯正精度が高いです。

レンティス(Mplus)